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梅雨らしい天気が続いています。
紫陽花がきれいな時期でもあります。
きょうは、グランフロントの西側、以前、JRの貨物の操車場があったところ、梅田地区では最後といわれる一等地に建築中の商業ビルの一角を見学してきました。北側の11階建のビルを一階一階説明をして頂きながらの見学会。
落ち着いたトーンでまとめられ、最新の技術を屈指したものと思われます。
最初に会議室に於いて簡単な説明がありました。
広い広い敷地面積4.5ヘクタール。 南エリアと北のエリアに分断されて建物が建っていました。 そのど真ん中の、ほとんど3分の2ぐらいと思われる空間に、緑と水をふんだんに取り入れた、ゆとりある公園、庭園です。
どのビルも四方八方ガラス張り。屋上から各階のテラス、ゆとり部分には全て緑の木々が配置されています。
壁面には建物の約7割から8割程度にもおよぶ緑が張り巡らす工夫がされていました。
一昔前までは、日本の土地は、坪単価が高い事もあり、効率よくぎっしりと建物、部屋が押し込められていたという感じの所に、緑、グリーンが添え物として置かれていた感じでした。
しかし、最近ではテレビ番組でも、わりと人気の高い『山奥に、ぽつんと一軒家』とか『秘境に住む。。。』とか、自然、緑、ゆとり。を感じる番組が好評のようです。 「地球温暖化、、、、」は無論そうですが、それだけの問題でもなさそうです。
それでは、植物によって実際得られる効果について、皆さんが思っておられる以上の効果があります。
物理的機能
- 遮光(眩光防止)機能
- 騒音低減機能
- 大気浄化機能。温暖化防止機能
- 防砂、防火などの防災機能
- 土壌浸食防止機能、土壌表層処理機能
- 微気象調節機能(気温、防風など)
- 空間区画機能
視覚的・心理的機能
8.景観構成機能
遮光(眩光防止)機能
- 夜間、庭園外の建築物の照明や、ガラスからの反射光
- ヘッドライト、舗装面やへきめんから建物への照り返し
騒音低減機能
- 植物自体による騒音の減衰
- 騒音源を視覚的に遮蔽する事による心理的な低減
大気浄化機能。温暖化防止機能
- 粉塵捕捉は樹葉表面への粉塵の吸着によるものであり、その付着量は粉塵発生源側の面で、樹木の下方ほど多い
- CO2の吸収量は、樹種により異なり、落葉広葉樹林は小さく、常緑針葉樹林、常緑広葉樹林は大きいとされている。
- 植物が光合成を行うとき、大気中から二酸化炭素を吸収し、酸素を放出する。
- 人間1人当たりの一日の酸素吸収量が0.75Kgとされていることから、常緑広葉樹林1haで約80人分の呼吸量をまかなっている。1.緑陰、蒸散、、対流による冷却効果
- 植物は空気中の二酸化炭素と土壌の根から吸収した水を使って養分を作り酸素を出す。これは光合成の仕組み。
- これ以外にも余った水を葉の裏の気孔から水蒸気にして放出、これが蒸散作用です。
- 水の分子が、液体から気体に変化する為には熱エネルギーが必要となり、蒸散は葉周辺に存在する空気の熱を奪い、結果、周囲の温度を下げる。
- 樹木はその陰による冷却効果に加えて、葉からの蒸散によって葉と葉の間に存在する空気の熱を奪い周囲の温度を下げる。
- このため周囲の空気は木の内部の温度より低くなり、温度差は対流を発生させる。
- これが「暖かい日には必ず大木の下に流れ込む微風」を発生させる。
- 大木の下の温度は、その緑陰、蒸散、対流による冷却効果により、露出した、日なたに比べ、4℃から真夏には平均で6℃以上下がる
防砂、防火などの防災機能
- 関東大震災、阪神淡路大震災など延焼を防ぐ効果がある事は古くから経験的に知られている。
- 樹体は損傷を受けるが生命を継続し萌芽する樹木を耐火樹
- 樹体の損傷は少なく遮蔽力を発揮するが生命が絶えてしまう樹木を防火樹
5.土壌浸食防止機能、土壌表層処理機能
6.微気象調節機能(気温、防風など)
- 街路樹などの下は、樹冠外より最大2、4℃差がある。
7.空間区画機能
- 静寂を保つべき場所を喧騒から隔離する。
視覚的・心理的機能
8.景観構成機能
- 景観の前景として、空間の奥行き感をあたえたり、隠して期待感を高める。
- 景観的均衡を与える
9.騒音感の低減機能
10.冷涼感増進機能
11.プライバシー確保の機能
12.遮蔽機能
その他の機能
13.記念樹、ランドマーク、文化的象徴機能
14.遊戯、休息機能
15.教材、見本機能 16.生態系の構成機能
以上このように、多岐に渡り植物は色々の機能を果たしております。
あらためて、学ぶことにより、植物の持っている役目をその時々に、施主の方やその工事にかかわる人たちにも知って頂き、何故ここにこの植物を植えるのか、植物の持っている役割を知っていただくと、植物への愛着もわいてきますし、植物への関心も深まるものと考えます。
植物だけでなく、昔から伝わっている行事、文化もしかりだと思います。
昔から、「前の人がやっていたから」、と意味も解らずにただ漠然とやっていると、段々と廃れていくことの多いことに気付きます。
昔から伝わる行事など、もう一度なぜそのような行事が行われていたのかを、学び直し、次の世代に伝える必要があるのではと、今回植物の役目について学び直して、感じた次第です。
2024年6月30日 西井 忠義