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今年は、2月の中旬ごろから、気温が一気に上がり、白、赤、ピンクなどの梅の花が匂いたち、桜の花も蕾を持ち始めました。
今日は、以前から興味を持っています漢字についてお話ししようと思っております。
今から、約4000年ほど前に蒼頡(そうけつ)という人が漢字を発明したと言われております。
柔らかな土の上に残された、鳥や獣の足跡から、その特徴をとらえて記号であらわすことを考え、そのことが漢字の原型につながる象形文字となったようです。
日本に漢字が伝わったのは卑弥呼の時代だと思います。
そして、日本でも漢字が作られました。
平ら(-)なみち(辶)を走っていたら、つるりと滑ってしまいました。こうしてできた字が「辷る」です。しばらく行くと、十字路になりました。
十字路のことを日本では「つじ」といいます。そこで出来上がった字が「辻」です。
じつは「辷る」も「辻」も日本で作った漢字です。
漢字の「漢」は、この場合中国を指します。 中国で出来た字が「漢字」なので、日本で作った「漢字」という言い方は変に聞こえます・そこで、このような日本で作った字を、とくに国字(和製漢字)と呼んでいます。
神に供える木は「榊」です。これも国字です。 山の上りと下りの境は「峠」です。
上下そろった武士の衣服は「裃」(かみしも)です。これも国字です。
これらのように、国字は意外とたくさんあります。
日本人は中国から漢字を取り入れてそれらを使うだけでなく、漢字を基にしてヒラカナ、
片仮名を作り、さらに漢字まで作ってしまったのです。
大変勉強熱心な民族と言えます。
小学校で習う1026字の漢字の中に国字はあるでしょうか。あります。
中国では「た」と「はたけ」を区別する字が無かったので、水のある水田に対して、水のないはたけを火、田と考え「畑」という国字を作りました。
「働」という字は人(イ)が動いて・・・「働く」です。
今までに紹介した「辷・辻・榊・峠・畑」などは、どれも意味を表す字と意味を表す字とを組み合わせた「会意文字」です。日本語に合わせて作った字なので、どれも訓読みで、
音読みは持っていません。
ところが、例外もあります。「働く」です。この字は、「ドウ」という音も持っています。 そして、「労働」という熟語にも使われています。
さらに、「働」は親元の中国に逆に輸出され、「働」(どう)として、どうどうと使われています。
お墓に樒(しきみ)を何故供えるのかという話を時折、お客様にする時があります。
この樒という植物は、毒を持っています。また香木で線香の材料としても使われ、葉をちぎるととってもいい香りがします。
70年程前までは、人が亡くなられると火葬でなく土葬をしておりました。
そのおりに、臭いを消す役目と虫がわかない様に、樒を一緒に埋めました。
その名残で関西地方では亡くなられた時やお墓には一般的に樒をお供えします。
そして、亡くなられた時の「葬儀」の「葬」(ほうむる)の漢字ですが『草冠』を書いて次に『死』という字を書きます。
この『死』は人「ヒ」と骨の形「歹」とからでき、人の命がつきて骨になることを表す字です。
一番下に「廾」にじゅうあしを書きます。
草が上に生え、死者が眠り下に根っこが生える。
これで解りますように漢字が出来た3000年ほど前から土葬が行われていたことが解ります。
こうして調べていくと、漢字ってとても興味深いですね!!
2024年2月27日 西井忠義